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第7章 狂い出す計算式

ケーブル下駅には次々と参加者が集まってくる。


陣地取りゲームがいかなるゲームかはわからないが、目付きの悪いものや入れ墨を入れてるものが多数見受けられるあたりから、竜崎は肉体戦であろうと予想をつけた。


それに参加者は体が大きく筋肉質な男が多い。


竜崎の190センチで筋肉質な体は見劣りこそしないが、目立つこともない。

しかし肉体勝負なら竜崎も望むところであった。


「あら?今日は一人ぼっちかしら?坊や」



不意に背後から声を掛けられた竜崎は、聞き覚えのあるその声に驚いて振り返る。


そこには前回の脱出ゲームで一司ら三人に襲いかかってきた女の姿があった。

「お前は……」


「あなたに刺された背中のナイフの傷が癒えるのに随分時間かかったのよ」


女は口許を緩めにっこり笑う。


しかし笑っているのは口許だけで、その目は怒りの炎がゆらゆら揺らめいているかのように鋭い。


「今夜は素敵な夜になりそうね、坊や……」


決して体格がよいわけではないその女の笑みは、しかし他のどの参加者より恐怖を竜崎に与えた。

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