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第7章 狂い出す計算式

「ちょっと入り口付近で敵が来ないか確認してくれないか」

味方の一人が竜崎に入り口付近の確認を依頼する。

竜崎は無言で頷き、小屋の外を注意深く監視する。


「それでは武器を支給する」

小屋の中で武装兵がそう伝え、箱を開ける。

竜崎は入り口付近からその様子をちらっと見る。


支給武器の入った箱の中にはライフルが一丁、ピストルが一丁、日本刀が二振り、ナイフが二本入っている。

チームメンバーは八人、武器は六つしかない。

予めそれはわかっていたようであり、入り口付近にいた竜崎以外のメンバーは箱が開くなり手を伸ばし武器を手にした。


一人押し出された人間が武器を取り損なう。

武器を与えられなかったプレイヤーはそのものと一司に決定した。

そこで竜崎はようやく自分は武器奪取争いに加わらないように騙されて入り口付近を見張らされていたことに気付いた。


「武器はフィールドに落ちています。それらを探し、敵地に侵入してください」

ライフルを背中に背負ったウルフが武器のない二人に告げる。

口調は出来たリーダーみたいな相手を優しく諭すようであったが、さっさと一番いい武器を取り、さも当たり前のように命令してくるウルフに竜崎は一気に不信感を募らせた。

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