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第8章 他人の痛み、自分の痛み

530あったチップが510に減る。

たまたま20勝負したときに限って負けてしまう自分の勝負弱さにほのかは情けなくなる。

手持ちチップ510とまだ10だけチップは500から浮いているが、先ほどのミスが昌幸の中で尾を引く。


凌ぐつもりなら色気を出さずに常に10づつ賭けるべきで、勝負するともしないともどちらともつかないほのかの対応は、最もギャンブルで負ける対応といえた。

しかもその失敗をいつまでも切り替えられない。

後悔や反省が常に悪いことではない。


しかし勝負の最中に集中を散らしてまですることではない。



20賭けて負けたことより、その後悔の念に陥ることの方がまずいことといえた。


しかし考えても仕方ない後悔の念というものは意外に深く人の心に根付く。

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