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GAME

第8章 他人の痛み、自分の痛み

「私のチップはこのゲームに賭けてないもので今500あります。これなら彼女は無傷なんでしょ!?」

「もちろんですとも。吾郷さん。例えルール違反で途中退場でもその時点で清算します。
我々は約束を違えたりしません、あなた方みたいにね」

ライオンの目に冷たい光が宿る。

「あなた方はリスクを承知でゲームに参加しているくせに、負けると騒ぎ出す。汚いだのずるいだのと。
約束はしたはずだ。
リスクを承知で始めたくせに負けた途端に必死で言い訳をして逃げ惑う。けど我々はそんなことは許さない」


冨田の両手両足につけられていた金具が係員の手によって取り外される。


冨田は礼を言いたいが状況が状況なだけにそれははばかられた。


冨田を救う代わりにほのかは自らの命を地獄の釜に投げ入れたのだ。


「それから吾郷さん」


ライオンはにっこり笑って告げた。



「あまり我々を甘く見ない方がいい」

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