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第8章 他人の痛み、自分の痛み
何者かが潜む草むらに竜崎一司は慎重に近付く。
充分に間合いを縮めて、竜崎が木の枝を振り上げて攻撃しようとした瞬間--
「たっ……助けて! 助けて下さいっ!」
悲鳴をあげながら一人の男が草むらから、転がるように飛び出してくる。
「ぶ、武器は持ってませんっ! 攻撃しないから許してください!!」
転げてて来た人物は両手を合わせ、必死に懇願してくる。
腕の腕章からみて竜崎と違う白組の人間であることは間違いない。
「ここで何してる?」
「時間一杯まで隠れようと思って逃げてました。そしたらあなたがいて。恐いから隠れてました」
小さく丸まりながら男は手を合わせて震えている。
「……お前、名前は?」
一司は木の枝をおろして問い掛ける。
「き……木村。木村勇治(キムラユウジ)です」
竜崎は木村と名乗る男にまるで戦意がないことを感じた。
「俺は竜崎一司だ。お前と同じ、戦う気も旗を奪う気もない」
竜崎の言葉に木村は安堵の笑みを浮かべた。
充分に間合いを縮めて、竜崎が木の枝を振り上げて攻撃しようとした瞬間--
「たっ……助けて! 助けて下さいっ!」
悲鳴をあげながら一人の男が草むらから、転がるように飛び出してくる。
「ぶ、武器は持ってませんっ! 攻撃しないから許してください!!」
転げてて来た人物は両手を合わせ、必死に懇願してくる。
腕の腕章からみて竜崎と違う白組の人間であることは間違いない。
「ここで何してる?」
「時間一杯まで隠れようと思って逃げてました。そしたらあなたがいて。恐いから隠れてました」
小さく丸まりながら男は手を合わせて震えている。
「……お前、名前は?」
一司は木の枝をおろして問い掛ける。
「き……木村。木村勇治(キムラユウジ)です」
竜崎は木村と名乗る男にまるで戦意がないことを感じた。
「俺は竜崎一司だ。お前と同じ、戦う気も旗を奪う気もない」
竜崎の言葉に木村は安堵の笑みを浮かべた。