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第10章 悪党の饗宴

壬生の期待以上の動きで開始数分で小石川は一人撃退した。

入れ換えたという「嘘」をつき、女はまんまと「騙され」たのだった。

実際に入れ替えていたら騙したことにはならなかった。

きちんと騙して相手を失格にさせる。

鮮やかな小石川の騙しに壬生は感心した。


「葛本早智失格」

グルメが宣告し、気の弱そうな振りをしてた葛本は失格となる。

警戒心の浅い序盤で毒殺を企てるという作戦自体は珍しいものではない。

確かにかなり甘い目算の作戦であったが、開始早々の先手は間違いではなかった。

このゲームは騙すための罠が不発に終わっても罰はないため、どんどん仕掛けるという姿勢はセオリーといえる。


ただ間違ったのは仕掛けた相手だ。


壬生はそう思いながらにやにやと笑みを浮かべた。

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