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第12章 『知らなくてもよかったこと』を知る日

それまでの気配から想像もつかないくらいの大声を出した竜崎に、ほのかも小石川も気がおかしくなってしまったのかと動揺した。


ところが竜崎は意外に冷静で、申し訳なさそうな表情を浮かべて二人を見つめる。



「みんなに話したいことが、あるんだ」



ついて来てくれ、と一司が言って家を出る。


ほのかと小石川は無言で竜崎のあとをついていった。



電車に乗り、繁華街を抜け、狭い路地を曲がり、やや寂れた裏路地に到着する。


「ここだ」


何がここなのかは不明だが竜崎はそういって準備中と書かれた札が下がる小さなバーへと入っていった。


小石川とほのかは顔を見合わせてから竜崎のあとに続く。


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