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第3章 廃工場の夜

再び歩き出そうとした瞬間



ぎゃああぁぁぁぁ!!!


突然男の悲鳴が響き渡った。


驚きのあまりほのかは壁に体をゴンとぶつけた。


「とりあえずこの中へ!!」


小石川は近くにあった扉を開く。


三人は慌ててその扉の中に駆け込んだ。


「うわぁぁ!来るな!来るな!!」


大声でわめき散らしながら足音がこちらに近づいてくる。


「く、狂ってる!!狂ってやがる!!」


逃げ惑う男の声は遂に三人の隠れている部屋の前までやって来て、駆け抜けていく足音が聞こえる。


その後ろから追いかけてくる足音も聞こえる。


追いかけているものは声を出さず、走っているようだった。

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