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第3章 廃工場の夜

脱出ゲームは追いかけあうゲームではない。


恐らくは脱出ゲームの参加者が耳なし芳一ゲーム参加者と遭遇したか、耳なし芳一ゲーム参加者同士が鉢合わせたかのどちらかなのだろうと小石川は考えた。


ガタンと音を立て転倒する音が聞こえる。


「まっ……待ってくれ!!ひッッ……殺さないでくれッッ!!」


逃げていた男が何かに躓いて転んだらしく、後ろからやってきた人物に命乞いをしている声が生々しく聞こえた。


屈強な体で幾多の喧嘩をしてきた竜崎でさえ、その生々しい命乞いを聞いて青ざめた表情を浮かべた。

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