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第3章 廃工場の夜

「失礼ね!殺さないわよ!耳たぶを頂くだ・け!」



三人は目を見開いた。



扉の向こうの廊下から聞こえた声は間違いなく女性の、それも甘ったるさをもったような、媚びたような若い女性の声だった。


「……女!?」


本当に小さな、息を漏らすくらいの小さな声で小石川篤弘が呟いた。


嫌だ!!!


やめてくれ!!!


誰か助けてくれぇぇ!!


ぎゃああぁぁぁぁああアアア!!!

ぶちぶちぶちぶちッ……


命乞いも虚しく、廊下から地獄の断末魔のような叫び声と不快な肉を引き千切るような音が聞こえる。


「ひ……ッッ!」


ほのかは耳を塞いで部屋の片隅で縮こまる。

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