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第4章 脱出不可能

建物の構造自身はいたってシンプルであり、口で一回説明を受ければ理解出来るレベルであった。


「それで? 肝心の耳なし芳一ゲーム参加者はどこに潜んでいるんだ?」

小石川が問う。


「出口までの道順を教えろって話だろ? それはもう答えたはずだ」


「そうムキになるな。お前にとっても損はない話だろう? 俺たちの六つの耳たぶが誰かの手に渡るより」


「てめえが助かりたいだけだろう!」


女はどんどん態度が悪くなる。


もはや輩(やから)レベルになっていた。


「お前はもう結構耳たぶ集めたんだろ?このまま終わればお前が勝者になれる可能性だってある」


「…………。」


女は葛藤している様子だが口を割らない。


「当ててやろうか? 耳なし芳一ゲームは脱出ゲームが終了した時点で同時に終了なんじゃないか?」


小石川の言葉に今度ははっきりと女の表情の変化が見てとれた。


「何故そう思う?」

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