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第4章 脱出不可能

「勘だよ、勘。人間は誰でも耳たぶ二つ持ってるだろう? 制限時間がわかってりゃ終了間際に自分の耳たぶ切ってしまう人間が現れる。

耳たぶなんかは切ってもすぐ病院に行けば縫合してくれるからな。 秘密で時間を設定しておくというのも手だが、いんちきだとか騒ぐ奴もいるだろうしな」


「誰もクリアーしなかった場合はどうなるのかな?」


ほのかが疑問を述べる。


「さぁな? 二時間で終了なんじゃないかな?
でも自分が一番耳たぶを持ってると思った奴がいたら、そいつが脱出の手伝いをするんじゃないかな?

そう考えるとゲーム性を考慮してゴール周辺には耳なし芳一ゲーム参加者は入れなんだろうな。出口まで耳たぶハンターが付き添ったんじゃ面白くないから。
耳たぶハンターが入ることが出来ないセーフティゾーンがあるに違いない」


「ふん。憶測ばかりで脆弱な話だ」


女は鼻をならし笑う。


「まあ真偽のほどはどうでもいいさ。つまらないプライドは捨てて他の奴等が隠れていそうな場所を教えてくれ。
これは脅しではない。お互いに得のある取引だ。

こちらは脱出、そちらは耳たぶ数が一番で優勝出来るかもしれない。耳たぶ数が心配ならお前の耳たぶを切り取るサービスもつけるぞ」

「……胸くそ悪いガキどもが!」

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