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第4章 脱出不可能

互いの利益のため、というおためごかしのような、半分脅しのような、一応は相手の面子を保つという小石川篤弘の言い回しが功を奏したのか、女が情報をくれた。


女が語る耳たぶハンターが隠れていると思われる箇所と遭遇しないための道順を三人は頭に叩き込む。


淡々と語る様を見て、背中にナイフを突き立てられた後なのによく平気でいられるものだとほのかは感心していた。



女を適当に部屋の中の更に物陰に隠してやってから、教わった道順で行くと遠回りではあったが、確かにハンターには出会わなかった。


一階ではどうしても一度は耳たぶハンターが隠れていそうな箇所の前を通過しなくてはいけなく、三人はそこを駆け足で抜ける。


まさか突然走り出すとは思っていなかったハンターは慌てて飛び出したが、事前にしっかりと作戦を立てていた彼らに対応できるわけもなく、そのままセーフティゾーンまで突っ走った。


こちらがセーフティゾーンに入ると悔しげに睨み付けてくるが、攻撃することも許されないようで歯痒く立ち尽くすだけだ。


そのセーフティゾーンに入り、しばらく歩くと「正面出入り口」と書かれた看板が見えた。


その先に大きな扉が開かれており、久々に見る外の世界が見えた。


たかだか一時間程度廃工場の中にいただけだが、三人には外の景色がやたら懐かしく思えた。

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