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幼馴染みで友達な彼女?

第1章 松沢さんという友達

松沢さんとは通学時間が一緒なので
最寄の駅から乗り換えるまでの
30分ほど超の付く満員電車に乗り
他愛のない会話をする
程度の仲だった。
もちろん超満員電車なので
度々密着する事もあったけど
務めて触らない様にしたり
ドア付近でかばったりもしてた。
一度などあまりの混雑で押されて
離れ離れになり僕が降りる駅に
差し掛かって時、ドスの効いた

「なに触ってんだよ!」

と言う声を聞いた事があった。

「うわっ、怖え〜〜」

と思っていたら、降り際に再会して

「痴漢されちゃったよ(テヘ)」

「あれ、おまえか!」

みたいなやり取りもあった。



ある日、何時もの通学の途中、
松沢さんに聞かれた。

「マンガ、上手くなった?」

彼女もヲタクとまでは言わないが
アニメやマンガは好きらしい。

「まだ落書きレベルだなぁ。
 漫画まではいかないよ」

「ふ〜ん。今度見せてよ。
 アドバイスしてあげるからさ」

誰かに観てもらって
評価してもらうのは
ありがたい事だ。
部長もよく

「下手でも人に観てもらうのが
 大事。観てもらってこそマンガ」

と言っている。
漫研の部訓みたいな物だ。
だが、周りに人がいるところで
堂々と見せる事ができる
レベルではない。
そこまで自惚れてもいない。

「見せるのはいいけど
 人前でみせるほどじゃないなぁ。
 あ、そうだ・・・」

と昨日、生徒手帳に
落書きしたのを思い出し
それをみせた。

「へえ〜。結構上手いじゃん」

お世辞でも嬉しい。
他にはないのかと聞かれたが
満員電車の中では無理と答える。
今でも君にくっつかないように
一苦労しているところだ。

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