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ファーストキス

第1章 ファーストキス

小さい頃の話に戻るけど、小さい頃はよく「化け物」といじめられた。
助けてくれる人も居なかった。


教師からは、「いじめられる原因がある方が悪い」

と言われた。


いじめられた原因は、レックだけじゃなかったのかもしれない。

もしも、僕が、喧嘩が強く短気で、なおかつ暴力的な人だったら……


いじめられることはなかっただろう。


そういう性格に生まれた方がよかったのかな?

でも、僕は、石を投げられてもバットで殴られても、エアーガンの的にされても泣くしかできなかった。
声をあげて泣けば、誰かが助けてくれる。
そう思っていた。
だけど、誰も助けてくれないことに気付いた時。

僕は、声を上げて泣くのを止めた。

僕は、殴り返さなかった。

殴り返せば、心まで化け物になる気がしたから……


僕は、一人。
僕は、一人。
僕は、一人。


そう思い続けることが、僕の心を保つ唯一の方法だった。


僕は、人を好きにはならない。

それは、相手を怖がらせるだけだから。

僕の心には、誰もいない。

居たとしてもすぐにいなくなるから……

孤独とは、誰かが周りにいないと感じないモノ。
だから、心には誰もいない。
置かないようにしている。

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