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RAIN

第10章 裁かれた母子の行末《拓海side》

彼の体温は愛する人の体温と重なる。

罪深き俺にもう二度と還ってこないその温もり。

俺の存在は罪。俺の生はあってはならないもの。なのに俺は生を受けた。

彼女は悩み、そして苦しんだ。
俺をこの世界に産み落としたばかりに、美しい彼女は地獄に堕ちた。

だから俺は愛することを、愛されることを放棄した。
それが俺が受けるべき十字架なのだ……。

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