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青春メモリー

第5章 過去と未来、そして現在

「・・・あの、大丈夫ですか?」



あたしはその声に顔を上げた。



そこには身長170センチ位の男の子が



立っていた。



あたしと同じ学校の制服だ。



「・・・・・・・・・?」



あたしが黙っていると、男の子は首を



傾げた。



この男の子・・・なんか、かわいい・・・。




「あの・・・立てますか?」



そう言って男の子は手を出してきた。



「う、うん。大丈夫。」



あたしはその手をとって立ち上がっ



た。



「加藤さん・・・ですよね?」




男の子はあたしのスーツケースとボス




トンバックを拾いながら言った。



「えっ!?あ、うん。そうだけど・・・」



あたしが何で知ってるの?



って、顔をしていたら男の子が答えて



くれた。



「僕、生徒会役員なんです。それ



で、転校生の写真が送られてきたの




で・・・。」




「えっ!?じゃあ、あの俺様生徒会長



と一緒なの?大変だね。」



「・・・彼に逢ったんですか。彼は意外と



優しいので・・・苦労はしません。」



俺様生徒会長の話をする男の子は何だ




か楽しそう。



・・・友達なのかな。



いいなぁ。友達・・・。



あたしも、欲しいな。



「加藤さん?」



男の子はあたしの顔を覗きこんだ。



うわぁ。よく見たら意外とイケメン!




「な、何?」



「家、どっち方面なんですか?」 



「あぁ。横浜方面だよ。」




「あ、なら僕と同じです。荷物・・・途中



まで持ちますね。」



男の子はボストンバックを軽々と持ち



上げた。



「あ、あのさ・・・名前・・・は?」



あたしが尋ねると男の子が優しい笑顔



を浮かべて言った。



「一ノ瀬 連です。」

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