逃亡少女と逃亡悪人
第4章 不安
「いたた・・・」
ずっと同じ格好だったせいか身体が軋む音がする。
飛行機に長時間乗っていた時のことを思い出した。
手足自由になって私がまず最初にしたのは隣室の確認だった。
ドアを開けるとそこには・・・。
(よ、よかったぁぁぁぁ)
洋式トイレと洗面台、そして小さな浴槽だった。
浴槽はシャワー付きでバスカーテンとタオルまで付いている。
(いつもだったらセパレートじゃないって怒っていただろうけど、今はこれだけで全然嬉しい)
監禁された状態といえど生理現象には勝てない。
私は早速お手洗いを使った。
洗面台の蛇口で手を洗いながら、私は考えを巡らせた。
どうしてここまで設備が用意されていたのか。
それは、私をここに長時間監禁することを意味するに違いない。
しかし、長時間監禁する意味がわからない。
(お姉ちゃんもちゃんと鎖、解かれているといいな)
私は今どこに監禁されているのかもわからない姉のことを思い、深いため息をついた。
心の中は不安で不安で仕方がなかったけれど、私は気丈に振舞おうと努力していた。
強がりだって、時には力になる。
「でも・・・どうやって逃げたらいいの」
ここがどこなのかもわからないのに逃げることなんてできるのだろうか。
まだまだわからないことが多過ぎる。
(本当にどうして捕まったんだろう)
平和だと思っていた日常はもう帰ってこないのかもしれないな、とこの時私は思ってしまった。
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