
逃亡少女と逃亡悪人
第4章 不安
大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
そろそろ部屋に誰かがご飯を持ってくる頃合だった。
私はドアの前に立ち、じっとその時を待った。
・・・。
カタッ。
まずドアの外で鍵がささる音がした。
やはりその前触れはなく、気配は消されていた。
唯一キュウだけは足音が消されきれていないので、この後に来るのがキュウではないことがわかる。
どくん。
カチャリ。
そして鍵を回す音がした。
どくん、どくん。
そして、ついにそのドアが開く。
「っ!」
黒髪だった。
(ケイだっ)
私は咄嗟の判断でドアとケイの隙間を抜けた。
予想通り、彼にぶつかりもせず私はすり抜けることに成功したのだ。
「・・・!」
彼は驚いたようで、すぐには私の後を追えなかった。
部屋から出て最初に目の前にあったのは狭い廊下だった。
そこから走り出そうとした。
走ってお姉ちゃんの捕まってる部屋を探そうとしたのだ。
でもできなかった。
私の計画はあっけなく崩れ去った。
「・・・え」
目の前にいたのは赤い服を着た男。
いや、違う。
それは赤い服ではない。
黒いタートルネックと黒いズボンが赤いペンキのようなものでべっとりと汚れていたのだ。
そして突如鼻をついた、何か嗅いだ事のある独特な異臭。
(血の匂い)
女だからか、血の匂いは必然と嗅いだ事が幾度もあった。
そんな匂いがこの男から漂っていたのだ。
そう、彼は全身血に濡れていた。
その男は久しぶりに見ることになったディーだった。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
そろそろ部屋に誰かがご飯を持ってくる頃合だった。
私はドアの前に立ち、じっとその時を待った。
・・・。
カタッ。
まずドアの外で鍵がささる音がした。
やはりその前触れはなく、気配は消されていた。
唯一キュウだけは足音が消されきれていないので、この後に来るのがキュウではないことがわかる。
どくん。
カチャリ。
そして鍵を回す音がした。
どくん、どくん。
そして、ついにそのドアが開く。
「っ!」
黒髪だった。
(ケイだっ)
私は咄嗟の判断でドアとケイの隙間を抜けた。
予想通り、彼にぶつかりもせず私はすり抜けることに成功したのだ。
「・・・!」
彼は驚いたようで、すぐには私の後を追えなかった。
部屋から出て最初に目の前にあったのは狭い廊下だった。
そこから走り出そうとした。
走ってお姉ちゃんの捕まってる部屋を探そうとしたのだ。
でもできなかった。
私の計画はあっけなく崩れ去った。
「・・・え」
目の前にいたのは赤い服を着た男。
いや、違う。
それは赤い服ではない。
黒いタートルネックと黒いズボンが赤いペンキのようなものでべっとりと汚れていたのだ。
そして突如鼻をついた、何か嗅いだ事のある独特な異臭。
(血の匂い)
女だからか、血の匂いは必然と嗅いだ事が幾度もあった。
そんな匂いがこの男から漂っていたのだ。
そう、彼は全身血に濡れていた。
その男は久しぶりに見ることになったディーだった。
