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画面の向こうのあなた

第2章 Ⅰ


ブーブー、ブブブ、ブブブ

キッチンに向かって歩くとズボンのポケットにいれている携帯が鳴る。

「…誰だし」

「憂だし」

相手が分かっているのでもしもしは言わない。

電話の相手は、幼馴染みの桐谷 憂(ゆう)。同級生で、学校ではいつもとまではいかないが一緒に過ごしている。

「で、何か用」

「明日、暇?」

「……何故」

「ケーキあるんだけど、一人じゃ無理だから、一緒に食おうかなって」

「そう」

「そう。」

冷蔵庫から麦茶を取りだしながら次の言葉を待つ。

「……え?」

「あ?」

「いや、だから、暇?食おうよ」

「太らす気か、ばかやろー」

「大丈夫、食った後運動すれば」

「そういう問題じゃねーよ」

「じゃ、どうゆう問題だよw」

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