
ヤクザくんは隣の席。
第3章 学校。
「あ…お前本当に来たんだ…」
アンタが来いって、言ったんでしょうがっ!
そんな事思っても、口では流石に出せない。
「ねぇ、あの人、お兄さん?」
「あの人…?あー、ちげーよ。
あいつは組のモン。まあ、兄弟みたいなもんだ。」
ふーん。
銀髪と金髪じゃ、端からみりゃ仲のいい兄弟に見えるよ。
「お前はキョウダイいねぇのか。」
「え…?」
意外だ…。
コイツが人の事にも興味を示す人だったなんて。
でも、そんな事言ったら確実にシメられる。
「わ、私は弟が1人。小学生二年生の。」
「ふーん…。俺にも兄が1人いたけど、死んだ。」
「え…。どうして?」
「バイク乗ってたら、大型トラックに跳ねられた。」
そういう藤崎は、少し悲しそうな目をしていた。
