
ヤクザくんは隣の席。
第1章 不登校児くん。
何ドキッとしてんの?
初対面の人だよ、しかもヤクザ。
…ナイナイ…。
「お前、その制服…S高か?」
「え…はい、そうですけど…」
怖いので、一応敬語。
「――…学校いかねぇから。」
は?。
「え…いや、あの…」
「どうせ、俺を学校に行かせようとしてんだろ。
テメェもセンコウとグルか。」
いや、グルじゃねーし。
この人、私が学校に行かせようと来たと思ってる?
違うから、プリント渡しに来ただけだから。
あ、プリント。
ココに来たのは、プリントを渡すためだったことを、今思い出した。
「コレを渡しに来たので…」
手に持っているプリントを渡す。
壁についた手も離され、プリントを受け取ったが、いらねぇ と言ってポイっと捨てた。
ちょっと何すんの、こいつ!
私がわざわざ、持ってきたのに!
