最後の、恋
第2章 2 高校生活のスタート
駅まで10分、
電車で3駅、
駅から学校まで5分。
この"近さ"に惹かれて
来た訳だけど
他にも理由はあった。
とりあえずまだなれない道を
律兄と歩く。
「こないださ、秋斗がさ
"授業中にクラス全員で
鼻かんでみねぇ!?"
とか言い出してさ。」
菊地秋斗(きくち あきと)は
律兄と同い年で
あたしたちの幼なじみ。
家が近所だから
秋斗が遅刻しない日は
一緒に行ってるらしい。
秋斗は遅刻魔だから(笑)
「え、やったの!?」
「うん、でめっちゃ怒られて。 しかもみんなで。
あとで秋斗みんなに
はたかれてたけど(笑)」
「さすが、やることが
並みのバカじゃないね。
あのバカ発想製造機
どうにかなんないかな(笑)」
と秋斗のことをズタズタに
言ってると
「れーい?
そんなに人の悪口いうなら
その悪ーい口にチュー
しちゃうぞお(笑)」
とかいうバカ1名が
絡まってきた。
「…。」
「玲ちゃんスルーしないでっ
もっとなんかこう
言うことあるでしょ!
キモいとかうざいとか…
あ、あと嬉しいとか(照笑)」
「ありえないから照れないで
キモい!
どMとかお断りだから!」
秋斗は絡みがキモい。
いっつも
すきーとか
付き合ってーとか
チューするとか
言ってくる。
あたしがイライラしてると
「はーい、秋斗ストップ。」
律兄が止めてくれた。
ほっとして
「律兄ありがと。」
「いーよ、玲は俺が守ってあげるから。」
はっ???
なんかこそばゆい。
顔があっつい。
赤くないかと心配になる。
「べ、べつに頼んでないしっ。 秋斗も律兄も一緒だから!」
「えー俺が秋斗と一緒はないわ。」
「え、なぜっ!りっちゃんひどぉーい!」
…あたしって本当に
可愛くない。