魔境夢想華
第3章 交差する不安《凜視点》
俺にとって何とも慌ただしかった学校生活は終わりを告げようとしていた。
今日はなんか何時も以上に疲れた。一気にいろんなことが起こったような気がする。実際、何時もの日常となんら変わらないが。
「じゃあなー」
誰もがそれぞれ、挨拶を交わしながら自分の次の行動へと移る。
やっと学校が終わり、俺は帰宅しようと席を立った。
「んじゃ俺、部活だからー」
橋本がスポーツバッグを持ちながら、俺に声を掛けてきた。
橋本は卓球部に所属している。部員数は少なく、何度か俺にも勧誘していたが、俺が家の事情で出来ないと断り続け、最近では諦めたようで勧誘を続けることはなくなった。
「ああ、頑張れよ」
「お前も気ぃつけてな」
言葉少なく橋本が教室から出ていく。
あまり全体的に愛されない卓球部を、少しでも活気ある部でありたいと躍起になっているようだ。
橋本もいなくなり、俺は一人廊下に出る。
「……浅倉……」
不意に背後から声が掛かる。
誰かと振り向けば、そこにいたのはクラス中で一番目立つ転校生、蓮川の姿だった。
俺にずっと視線を飛ばしていた張本人。その所為で今日の授業に集中出来ず、俺にとって蓮川はあまり好印象を持てずにいた。
「話があるんだが……」
俺に近付く蓮川に、俺は無意識に身体を堅くさせる。
別に何をされる訳でもない。ただ彼は話がしたいと言ってるだけだ。
(嫌だ、嫌だ……)
なのに俺は強く拒絶している。
だがその感情は自分が発しているはずなのに、何故か別の誰かが全身で拒否をしているような錯覚で、蓮川から避けたいと心中で叫んでいた。
「もしよければ一緒に帰らないか?」
更に蓮川の声が近くなる。
今日はなんか何時も以上に疲れた。一気にいろんなことが起こったような気がする。実際、何時もの日常となんら変わらないが。
「じゃあなー」
誰もがそれぞれ、挨拶を交わしながら自分の次の行動へと移る。
やっと学校が終わり、俺は帰宅しようと席を立った。
「んじゃ俺、部活だからー」
橋本がスポーツバッグを持ちながら、俺に声を掛けてきた。
橋本は卓球部に所属している。部員数は少なく、何度か俺にも勧誘していたが、俺が家の事情で出来ないと断り続け、最近では諦めたようで勧誘を続けることはなくなった。
「ああ、頑張れよ」
「お前も気ぃつけてな」
言葉少なく橋本が教室から出ていく。
あまり全体的に愛されない卓球部を、少しでも活気ある部でありたいと躍起になっているようだ。
橋本もいなくなり、俺は一人廊下に出る。
「……浅倉……」
不意に背後から声が掛かる。
誰かと振り向けば、そこにいたのはクラス中で一番目立つ転校生、蓮川の姿だった。
俺にずっと視線を飛ばしていた張本人。その所為で今日の授業に集中出来ず、俺にとって蓮川はあまり好印象を持てずにいた。
「話があるんだが……」
俺に近付く蓮川に、俺は無意識に身体を堅くさせる。
別に何をされる訳でもない。ただ彼は話がしたいと言ってるだけだ。
(嫌だ、嫌だ……)
なのに俺は強く拒絶している。
だがその感情は自分が発しているはずなのに、何故か別の誰かが全身で拒否をしているような錯覚で、蓮川から避けたいと心中で叫んでいた。
「もしよければ一緒に帰らないか?」
更に蓮川の声が近くなる。