魔境夢想華
第2章 転校生《凜視点》
先生に促され、後に入ってきたのは男子だった。
その転校生を見た瞬間に、男子たちからは「また男かよー」というがっくりした声と、女子たちの「キャー!」という黄色い声が教室内に溢れ返った。
先生とその転校生が所定位置に着くと、先生は黒板に転校生の名前を大きく書き出した。
「……蓮川輝(ハスカワヒカル)……」
つい声に出してしまう。
肌の色が白く、目鼻立ちもきりっとしていて、髪の色は色素が薄いのか、茶髪で柔らかそうな髪質だった。同性の俺から見ても彼は美形と称される部類に入る。女子たちが騒ぐのも当たり前だ。
「それじゃ軽く自己紹介してもらおうかな」
それに蓮川は軽く頷き、自己紹介を始める。
「蓮川輝です。大阪から来ました。これからよろしくお願いします」
堂々とした口調で挨拶をする蓮川に、女子たちの甲高い声がまた上がる。
「かっこいい!」
「今年はラッキーだよね。蓮川くんといいさ、浅倉くんといい、絶対ツイてるよー」
その歓声の中に、俺の名前が挙がったことに俺は思わず顔を顰める。
蓮川のことはいい。確かに彼は誰が見ても美少年だ。
だけど俺は違う。
だって俺は自分の容姿にコンプレックスを抱いているのだから。
幼少の頃から俺は周囲に「可愛い」だの「綺麗」と言われ続けてきた。流石に今はないが、小学生時には女と間違われたことも多々あったぐらいだ。
だから俺は自分の顔が嫌いだ。もう少し男っぽかったらよかったのに、と何度も嘆いていた。
その転校生を見た瞬間に、男子たちからは「また男かよー」というがっくりした声と、女子たちの「キャー!」という黄色い声が教室内に溢れ返った。
先生とその転校生が所定位置に着くと、先生は黒板に転校生の名前を大きく書き出した。
「……蓮川輝(ハスカワヒカル)……」
つい声に出してしまう。
肌の色が白く、目鼻立ちもきりっとしていて、髪の色は色素が薄いのか、茶髪で柔らかそうな髪質だった。同性の俺から見ても彼は美形と称される部類に入る。女子たちが騒ぐのも当たり前だ。
「それじゃ軽く自己紹介してもらおうかな」
それに蓮川は軽く頷き、自己紹介を始める。
「蓮川輝です。大阪から来ました。これからよろしくお願いします」
堂々とした口調で挨拶をする蓮川に、女子たちの甲高い声がまた上がる。
「かっこいい!」
「今年はラッキーだよね。蓮川くんといいさ、浅倉くんといい、絶対ツイてるよー」
その歓声の中に、俺の名前が挙がったことに俺は思わず顔を顰める。
蓮川のことはいい。確かに彼は誰が見ても美少年だ。
だけど俺は違う。
だって俺は自分の容姿にコンプレックスを抱いているのだから。
幼少の頃から俺は周囲に「可愛い」だの「綺麗」と言われ続けてきた。流石に今はないが、小学生時には女と間違われたことも多々あったぐらいだ。
だから俺は自分の顔が嫌いだ。もう少し男っぽかったらよかったのに、と何度も嘆いていた。