無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

橋龍「御伊勢参りかあ。私も一度はいってみたいね」
弥生「で、結局は、あの子たちはなんなの」
橋龍「ん、あの子たち。親戚の子だよ」
弥生「それで、親はどうしてるの」
橋龍「ん、だから事情があるんだ。ほら、あまり親戚のことは口外したくないじゃないか。君もそういうの一番嫌いじゃないか」
弥生「それで、うそを言ったというわけ」
橋龍「いや、そうではないけど、適当に話を濁したかもしれない。悪かったね」
弥生「はっきり言いきったような気もしたけど、まあいいわ。どうせこれ以上この話をしても、らちは空かないでしょうね。それで、どうするの、これから」
橋龍「これから」
弥生「そうよ。あの子たちはずっと家にいるの」
橋龍「いないよ、いない。当分の間だけだよ」
弥生「それで」
橋龍「親が迎えに来るまでは、預かるよ。その後は、以前と同じだ」
弥生「それで、私は、あそこには行ってもいいのね」
橋龍「ええ、きみが。あの子らに会ってもしょうがないだろう」
弥生「親戚の子なんでしょ。それだったら、私が必要以上に気を使わなくていいんじゃない」
橋龍「でもな」
弥生「なんか都合が悪い」
橋龍「都合が悪いということはないけどね」
弥生「じゃあいいってことね」
橋龍「んん」
弥生「やっぱりなんか問題があるんだ」
橋龍「いや、それはないけど」
弥生「だったらいいのね」
橋龍「分かった。ただ、２人の関係は、聞かれても何も答えないというのと、あの子たちの素性を一切詮索しないというのは、守ってくれ。あの子たちの中には、親が死んでしまった子もいてね、事情もそれぞれある。まだ、子供だから、そっとしといてくれ」
弥生「いいわ」