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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

2人は、今日はとりあえず、これで分かれた。もちろん、橋龍は午後も打ち合わせがあった。結局3人と自由に会うことを認めてしまったわけだが、橋龍もとんだ荷物を背負ってしまったもんだ。しかし、すべて、誰の責任でもない、自分が悪いのは分かっていたので、それは甘んじて受け入れるしかなかった。こんな日は、一杯飲むしかないのだ。そう、今日も橋龍は、飲みに行った。一方、子供たちはというと、寺子屋で、徐々に、顔見知りも増えてきた。この寺子屋に通う子のほとんどは、このあたりの裕福層が多かった。というより、日本橋のあたりに住んでいること自体が、そういったことを意味していた。商家の子女がほとんどで、そこで働く手代の子供たちも通っていたが、日本橋の店というのは、名の通ったところが多く、手代の子供といっても、エリートになってもおかしくないような子供たちなのだ。もちろん、裕福だからといって、利口とは限らないので、出来の悪いのもいたが、勇作なんかは、どちらかというとそっちの口だったかもしれない。勇一にはやればできると言われていたが、やらないのでは、どうにもならなかった。今日は、3人娘は、勇一と一緒に買い物に行く約束をしていた。その後に、料理を教えてもらうことにしたのだ。パパと一緒にご飯が食べたいというのは、どうやら本気のようだった。しかし、それが橋龍に通じるとも思えないが、みんなで料理をすること自体が楽しかったのだろう。寺子屋帰りに、勇一と落ち合って、買い物に行ったが、勇作もついてきた。

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