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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

勇作「今日は何を作ってくれるのかな」
良江「別に、勇作君に作る訳じゃありませんよ。お父さんに作るんです」
勇作「お父さん」
幸江「おじさんよね。私達の料理なんかまずくて、食えないんだって。だから教わるの」
勇一「はははは、そりゃ、橋龍さんは、それなりの人ですからね、幸江ちゃんたちが作るものが食えないというのは当然ですよ」
初江「でも、ちょっと酷くない。あんないいかたしたら、頭にくる」
勇一「それはそうかもしれませんが、橋龍さんが普段食べているものはなんですか」
初江「弁当とか、店屋物」
勇一「そうですよね。このあたりの、弁当屋といったら、日本一といっても間違いありません。それを毎日食べていたら、みなさんの料理は、くちにあいませんよ。橋龍さんは、正直だから、ほんとうのことを言っているだけです。もし、適当に誤魔化すんだったら、忙しいとか言うんじゃないでしょうか」
初江「忙しいって言っているけどね」
幸江「まあ、いいじゃない。私達も、教わればうまくなれるよ」
勇一「そうですね。ただ、すぐにはどうか。料理って勉強と同じで向き、不向きがありますから、それに、橋龍さんの口に合うものとなるとそう簡単には作れないかもしれません」

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