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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

初江「私と勝負するの」
良江「ええしますよ」
初江「あなたに勝ち目がある」
良江「あるでしょう。だいたい、出来の良さが違います」
初江「はあ、何の話してるのか分からない」
良江「出来が悪いって言ってるんです」
初江「よくいうわよ、あなたみたいに自分を知らない女はいないよ」
良江「知ってるか言ってるんです。だめ女に」 初江「なんだとお」
橋龍「どうしたんだよ」
幸江「寺子屋にかっこいい男の子がいるのよ。それでもめてんの」
橋龍「なんだ。そんなことか。君らな、寺子屋に何しにいってるんだ。勉強だけしてればいいんだよ」
良江「お父さんは、子供の頃から勉強ばかりしてたんですか。遊んだりしなかったんですか」
橋龍「私は、いいよ。君らのことだよ」
幸江「好きな子ぐらいいたでしょ」
橋龍「いなかった」
幸江「嘘だよ。パパもあそこの寺子屋に通ってたの」
橋龍「そうだよ。それはどうでもいい」
幸江「でもいいじゃない。好きな子ぐらいいたって」
橋龍「分かった、分かった。でもそんなことで家で騒ぐのはやめなさい」
初江「パパがなんて言おうが決着はつけないとね」
良江「そうですね」
幸江「どうやって」
2人は仁王立ちして、にらみ合った。空模様まで怪しくなってきた。

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