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パパはかわら版

第5章 パパはかわら版D

橋龍「、、、もういいよ。この話はまたにしよう」
初江「逃げるんだ」
橋龍「なに」
初江「わたしはね、おばさんに迷惑がかかるから、でてきたっていったけど、ほんとうは、おばさんに追い出されたのよ。お父さんのところへ行きなさいって言われて」
橋龍「、、、」
良江「うう、初江さん、可哀想です」
幸江「ほんとう。パパ、初江ちゃんのおばさんとはどういう話をしたの」
橋龍「、、、だから、さっき言ったろう。それだけだよ」
幸江「でも、おばさんが気にくわないからって、初江ちゃんを責めるのはおかしいよ。だって、初江ちゃんだって、気がついたときには、お母さんがなくなっていたんだから」
橋龍「、、、」
話は、かなり曖昧なまま、終わってしまった。橋龍も、子供たちを怒鳴りつけたのはよかったが、子供たちの話を聞いている内に言葉を失ってしまった。すべて、自分がまいた種だったのだ。橋龍は珍しく、書斎でそのことについて考えた。一方の子供たちはというと、橋龍が黙ってしまったことに驚いていた。

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