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パパはかわら版

第5章 パパはかわら版D

良江「ふう~ん。出来の悪さを強調していきてくつもりなんですね」
初江「誰が、出来の悪さを強調してるのよ」
良江「初江さん、漢字もろくに読めないじゃないですか。かなだけで何が書いてあるのか分かるんですか」
初江「私だって、字ぐらいは読めるわよ。かっこわるい女になってまで勉強なんかしないだけ」
良江「それじゃ、いったいこれから、どうしていくつもりなんですか」
初江「なによ、これからって」
良江「学問をしないということは、もう働かなくてはいけないんですよ。わかっているんですか」
初江「そんなの、そのうち考えるわよ」
良江「そのうちね。何の目標もないということですね。それだったら、私のことはとやかく言えませんよ」
初江「目標ね。それは綺麗な女になることよ。みんなが格好いいと思うようなね」
良江「でも、そういうのを目標って言うんですか。もっと、明確な将来像はないんですか」
初江「いちいち、うるさいわね。かっこよくて、綺麗な女になるって言ってるのよ。それのどこが悪いのよ」
良江「そうですか。それじゃ、女郎にでもなるつもりですか。確かに、勉強する必要ないかもしれません」
初江「女郎って、誰が女郎になるって言った」
良江「だって女郎って、綺麗じゃないですか。男の人にも人気がありますよ。そういうふうになりたいんじゃないですか」
幸江「何、喧嘩してんのよ。直也君のこと。もう、話しかければいいのよ。私が、つれてきてあげる」

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