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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

歌舞伎は終わり、帰りに4人で食事をした。ちょっとした料亭のようなところだった。

橋龍「しかし、どうだった。今日のは、よかっただろう。君らも勉強になったんじゃないか」
初江「ええ、何の勉強」
橋龍「ああ、日本の文化だよ。歌舞伎ってのはね、今や日本の芸術だよ。それも、今日は、最高峰のものがみれたんだ。君らはほんとうに幸せだ」
初江「幸せって、子供にあんなの見せてなにいってんのよ」
橋龍「ははは、そうか退屈だったか。初めてみたんだからしょうがないか。まだ君らじゃ分からないところもあるよ」
良江「私は、見ていて楽しかったです。中身が難しくても、みんなで盛り上げるんですよね。あそこが一番楽しいのに」
初江「そうかな。ただうるさいだけだった」
店員「おまちどうさま」
幸江「わあ、おいしそう」
初江「ほんとだ。待ったかいがあったよ」
橋龍「何だ君らは、これが目的だったのか」
幸江「そりゃそうだよ。さっぱり何やっているのかわかんないんだから」
初江「もう、ほんとう、歌舞伎は二度とみたくないよ」
橋龍「高い金だしたんだぞ。まあ、いいやどんどん食べなさい」
幸江「パパはどうだったの。子供の時から歌舞伎が好きだったの」
橋龍「歌舞伎なんて、見なかったよ」

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