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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

左吉「あれ、どうしたんですか。いつもだったら、真っ先に不正追及に突き進むんじゃないですか、橋龍さんは」
橋龍「何、バカなことをいってんだ。いくら私でも、本当にそんなことをしてたら、周りに迷惑がかかる」
左吉「独り身の橋龍さんも、身でも固めるつもりにでもなったんですか」
橋龍「誰が身を固めるんだ。私にだって、親類縁者はいるんだよ。それに、ここだって、そうだ」
左吉「なんか、いままでの橋龍さんと違うようで、驚きますね」
諭吉「そりゃ違うさ。龍だって、状況がこうなれば、様子を見ようと言うのは当然だ。こっちが先に動く必要はない。とにかく、状況が動いているんだ。それを見極めて、何を私らは伝えていくかだ」
左吉「しかし、勘定方で、更に問題が深刻になると言うことはあるんでしょうか。それには、さすがに酒井大老も目はつぶらないんじゃないでしょうか」
諭吉「そうだな。そうなれば、勘定吟味役の解任どころではないだろうな。政変にも繋がりかねないのを、黙って見過ごすとも思えない。とにかく、このあたりは、しっかりみていかないといけない。取材の方はきちんとできてるんだろうな」
左吉「もちろん、大丈夫ですが、だんだん雰囲気が重たくなってきているので、なかなかこれからは難しいかもしれませんね。平凡屋としてというより、こうなってくると、個人の繋がりでということにはなってくるでしょうね」
諭吉「そうだな。まあ、慎重にな」

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