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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

今日も、版説を橋龍はした。そのついでというわけではなかったが、弥生の兄である、一弘とお茶を飲んだ。もちろん、どこかには、勘定方の成り行きに探りを入れるようなものだったが、一弘は拒まなかった。あまり、今の時期に橋龍などと会っているなどというのは、彼にとっていい心緒を周りに与えるものではないはずだったが、以前からの関係を無下にしてまで、周りに気を使う必要などないという気骨みたいなものはあったのだろう。まだ、特別何かが変わったわけではないのだ。あちこちが騒がしくなってきただけなのだ。しかし、今日は、一弘にしては珍しく、弥生の話をした。なかなか、橋龍と会うときは、弥生の話を2人はしようとしなかったが、なぜだろうか、勘定方でのもめ事が、そういったところに話題を向けさせていたのかもしれない。

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