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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

橋龍「それでは、この件はこれで終わりということかい」
一弘「まさか、これは始まりだろう。私も奉行所には20近く勤めているが、こういった雰囲気は味わったことがない。どうなっていくかは知らないが、結局は、学者が経済の話を自由にしだしたところも、こういった状況を招いているだろうね」
橋龍「それは悪かったね。私らも、それには、かなり力を入れている」
一弘「そういったことをいっているわけではないが、圧力がかかると言うこともこれからはあるかもしれない。瓦版にまで手を出すとなると、幕府も暗黙の批判を受けることになるのは、誰もが分かっている。最近は、市民の声というのは、無視できないものになっている。だから、できるだけ、そこには手をつけたくはないはずだ」
橋龍「そうだといいが。私らは、役人批判だけはしていいという、先入観みたいなものがあるからね、それまでできなくなると、なんの瓦版か分からなくなってしまう」
一弘「お前らが、そんなの気にする必要はないんじゃないか。今まで通りのやり方でいいだろう。役人というのはやっかいでね、未来を見ようとするものと、保身に走るものの両方がいる。そういったものは、おそらく、その状況次第で変わっていくものだ」
橋龍「君はどうなんだ」

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