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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

一弘「私か。そうだな。どうだろうな。、、とにかく、幕府のために仕事はしてる」
橋龍「なんか、それこそ、役人らしい話だな」
一弘「いや、本気でそう思っているよ。私も、こういうときでないと、真剣に自分というものと向き合う機会というのは、なかなかないが、もののあり方というのがあるとは思っている。ただ、世の中って言うのはいろいろあるじゃないか。不条理で、説明も付かないものというのは。私はお前には悪いけど、弥生のことだって、そういったもののように思っている。弥生には弥生の道というのはあるんだろう」
橋龍は、ここで弥生のことを持ち出されては黙るしかなかった。兄の弥生に対する愛情というのは、境遇が更に深くさせている面というのはあるのだろう。弥生にとって、なんのための自分なのか、なぜか幕府の不正と、自分の曖昧な態度が重なって、橋龍には感じた。

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