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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

3人が来たのは、彼女たちが住んでいるところより、江戸城に近いところだった。それでも、子供たちがよく遊ぶ神社の向こう側にあるだけで、それほど遠いというわけではない。もちろん、本当に遠かったら、普段から、橋龍と弥生が会うことも滅多にないことなる。弥生は、自分で歩いて、橋龍の長屋にくるぐらいだから、歩いて半時もかからないところには住んでいたのだ。確かに、同じ日本橋とはいっても、武家屋敷が多いところで、様相は、かなり日本橋というイメージとは違っていた。番所を見つけて、聞いてみたら、案外簡単に場所が分かったのだ。書を教えてくれることになっているという話をしたら、丁寧に場所を教えてくれた。堺家は、旗本とはいってもかなり格式の高い家だったのかもしれない。それとも、弥生が美人なので有名だったということもあったのか。3人は、なんとか、堺家の家の前まで来たのだ。

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