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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

橋龍「それだってね、常識ってのがあるだろう。彼女は書を教えてるかもしれないが、必ずしも、ふんぞり返ってあそこで生活しているわけじゃないんだよ」
幸江「それってあれじゃない。弥生さんがパパとつきあってるからじゃないの」
橋龍「そんなのは君らには関係ない」
幸江「関係ないってことはないでしょ。私達だって弥生さんには申し訳ないなって思っているんだよ」
橋龍「なにを申し訳ないと思っているんだ。そんな風には見えないよ」 幸江「そんなことないよ。私達がいなければ、弥生さんは以前のようにここへ、これるんだから」 橋龍「ああ、そうだな」
幸江「でも、弥生さんが行かず後家になったのは、パパがいるからでしょう」
橋龍「お前はなんてこというんだ。今度行かず後家だなんていったら、本当に追い出すからな」
初江「わかったわよ。もう弥生さんのところには行かないわよ」 橋龍「本当、お前ら屁理屈ばかり言いやがって」 初江「遺伝なんじゃない」 橋龍「なにが遺伝だ。どこも似てないじゃないか」
良江「それにしても立派なお屋敷でしたね。本当に弥生さんはあのままでいいんでしょうか。この間のおばさんも誰なのか分からないし、いったいお父さんの周りはどうなってるんですか」
橋龍「なんだ。どうなってるって、、、君らには関係ないよ」 良江「そうでしょうか。お父さんは、自分で作った状況に自ら振り回されているんじゃないですか」 橋龍「何言ってるんだ、子供が」 良江「いいえ、私達もそれにつきあわされている気がしたんです」 初江「まあ、いいじゃない。とにかく、あれだよ。そのことはもう解決したのよ」
橋龍「なんだ、解決したって」
初江「だからあてができたのよ」 橋龍「なんだそのあてっていうのは」 初江「もうそろそろくるころよ」

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