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パパはかわら版

第7章 パパはかわら版 F

勇作「みんな、やっとついたよ。本当ここまで、長かった」
初江「まあ、あんたの推薦だからね、大したことないと思うけど、で、どこから見に行くの」
勇作「え、どこから見に行くのって」
初江「あんたは、ここに来たかったんでしょ。なにが目当てなのよ」
勇作「さあ」
初江「はあ、さあ。なによさあって」
良江「ここには、ゾウなんかがいますよ」
初江「なによ、ゾウって」
良江「ゾウですか。鼻が長い動物ですよ。凄い大きいんです。知らないんですか、話題になったじゃないですか」
初江「さあ、私は知らない。どこの国から来たのよ」
良江「ええと、名前は知りませんが、ずっと南の方ですよ」
初江「南」
良江「はい、中国のずっと向こうです」
初江「中国のずっと向こうっていったら、南蛮じゃない」
良江「いいえ、南蛮の南の方ですね」
時枝「それにしても、良江ちゃん、よく知ってるわね」
良江「くる前に本を読んできたんです。ディズニー屋敷の」
良江「なんだ。あんたらしいわ。他にはどういうのがいるのよ」
良江「他には、ライオンがいます」
初江「なによ、ライオンて」
良江「そうですね。虎みたいなやつですね」
勇作「ええ、虎」
初江「なによ。大丈夫なの」
良江「大丈夫ですよ。鉄の鎖で繋がれていますから」
初江「ほんとうでしょうね」
良江「ええ」
幸江「それじゃあ、行こうか。ほら、どうしたんだよ。勇作」
勇作「虎、、」
幸江「虎じゃなくてライオンだろう。なに、ライオンから見に行くの」
勇作「ううん、ううん、、」
幸江「もしかして、あんたびびってんの」
勇作「ははは、それじゃあ、いこうか。ははは、、」
幸江「あれは完全にびびってるね」

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