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パパはかわら版

第7章 パパはかわら版 F

次ぎに見に行ったのは、カバだった。カバは泥水の中に入っていて、顔だけ出していた。大人のカバが2匹いた。
初江「なによあれ、変な顔してる」
良江「ほんとですね。なんか誰かに似てますね」
初江「ええ、誰かって、そんな人いる」
幸江「そうよね、これを人間にたとえるのはかわいそすぎるよ」
初江「ああ、大きな口開けた」
良江「何か食べたいんですかね」
幸江「あくびしたんじゃない」
初江「あくびって、あんな大きなあくびってするの」
良江「ああ、背中が出てるんじゃないですか」
幸江「ほんとうだ。カバって、凄いからだが大きいんだ」
良江「そうみたいですね」
初江「そりゃ、あれだけ口が大きいんだから、体も大きいでしょ。あれで、犬ぐらいの体しかなかったらおかしいよ」
幸江「そうだね。それは不気味だね。何で、水に潜ってるんだろうね」
良江「ライオンとかから身を守っているんでしょうか」
幸江「ああ、そっか。ライオンは水が苦手なんだ」
初江「カバは意外と小心者か」
幸江「ああ係員さん、何でカバは水に潜ってるんですか」
係員2「あ、はい。カバはですね。体が重くて、水に浮いてるんですよ」
幸江「ええ、それじゃ、陸で生活できないんですか」
係員2「そうですね。ただ、陸に上がって走ることもできますよ」
初江「本当ですか、あんな大きな体で」
係員2「ええ、走るのも凄い早いですよ」
初江「ほんとうに」
係員2「そうですね。ここは狭いんで、走ったのは見たことありませんが、陸上にはあがります」
良江「ライオンとはどちらが強いですか」
係員2「ライオンとですか。さあ、カバは水の中にいますから、あまり戦わないんじゃないでしょうか」
良江「もし戦ったら」
係員2「わかりませんね。ただ、ライオンが負けるとは思いませんが、どうなんでしょうね」

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