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パパはかわら版

第7章 パパはかわら版 F

勇一「どうしたんだ、勇作。元気ないな」
勇作「僕ばかり怒られるんだ」
勇一「そうか、そうか。それはしょうがないよ」
勇作「初江ちゃんだって、やったんだよ」
勇一「そうか。それでもな、男だったら、人のせいにしちゃいけないぞ。それも女の子が悪いなんていったら、みっともないぞ」
初江「ごめんなさい。私が、いろいろいったから」
良江「わたしもいいました。すいませんでした」
勇一「みなさん、きにしないでください。ここへ来て、そんなこと気にしてたら、楽しむことなんかできませんよ。いいですね、この話はこれで終わりにしましょう」
女の子とたちは、それでも謝ったが、勇作はなんかむくれたような感じのままだった。時枝が帰ってきて、それと入れ替わりに5人は食事に出かけた。女の子たちは、勇作とは違って、ミッキーの話をしていたが、それでも重たい雰囲気はあった。勇作も、食べるだけで、ほとんど会話には、加わらなかった。父親に甘える子供のようだった。食事が終わると、また列に戻って、みんなで順番待ちをした。ただ、もう、今やっている公演が終わればとうとう、見ることができるのだった。芝居小屋とはいっても、周りを、柵で囲っただけで、雨が降れば公演は中止にするしかないような、野外公園でやっているような感じだった。ミッキーはただの客寄せのためのものだったが、とにかく人気があったので、ミッキー中心の公演をすることにしたのだ。それがあたってディズニー屋敷の一番の名物になっていた。そしてとうとう、前の回が終わり芝居小屋にはいることになったのだ。本当に中は簡単なもので、竹でできた枠組みにしきられたところに一家族ぐらいが丁度入れるぐらいだった。6人は、比較的前のいいところに席を取れた。

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