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パパはかわら版

第2章 パパはかわら版A

橋龍「今度見に来なさいよ。お昼にやっているよ」
祐子「どうだか」
橋龍「ほんとうだよ」
祐子「へっ」
橋龍「それで、祐子ちゃんはこれからどうするの」
祐子「どうするって、仕事終わったら帰るわよ。、、ああ、、、誘ってんの」
橋龍「いいや、そうじゃないよ。もし、時間があったらどうするのかなと思って」
祐子「なんだよ。やっぱり誘ってんじゃない。ええ、、、、どうしよう。飲ませるだけ飲ませてって、魂胆かよ。瓦版に誘われちゃった~」
橋龍「君、声が大きい。もう少し静かに話しなさいよ」
祐子「それじゃ、今度、今日はもうだめ、飲み過ぎた」

橋龍は、しばらくして店を出た。祐子が今度といった言葉をどう取ったかは分からないが、祐子の魂胆だけは理解できるような言葉だった。今までも、同じようなやり方で、客をつけるということがあったのだろう。祐子はそもそも、瓦版などという人種に興味があるような女ではなかった。橋龍が二枚目であろうが、なんだろうが、元から価値観が全く違うのだった。橋龍は、それほど酔ってもいなかった。普段だったら自分が酔って、周りに諫められることが多かったが、今日は、いつもと違って、自分が諫める側に回ったので、酔おうにも酔えなかった。もしくは、酔ったようには感じられなかった。そして、彼は、夜遅く帰宅し、寝床に入ったのだった。

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