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パパはかわら版

第2章 パパはかわら版A


幸江「それだったら、それまでの食事どうしますか」
橋龍「分かったよ。いくら欲しいんだ」
幸江「ええ、なにを」
橋龍「お金だよ。君らは食費が欲しいんだろ」
幸江「いくらって、ちょっと分からないけど、パパは何を食べるの」
橋龍「だから、私のはいらない。どうせ君らが出て行くまでの、間だ、お金は出すよ」
初江「ほらね。この人はこういう人よ。最初から追い出すことしか考えてないのよ」
橋龍「なにぃ」
幸江「まあ、いいじゃない。それじゃ、いくらもらおう」そういっているところへ、橋龍は、一分銀を一枚出した。幸江も初江も一分銀などほとんど見たこともなかった。
橋龍「これで足りるか」
幸江「ねえねこれ見て、これって、一分銀。私こんなの使ったことがない。これなら足ります。大丈夫です」初江は何もいわなかった。
橋龍「良江君はどうした」
初江「トイレにでもはいっているんじゃない」
幸江「歯ぎしりがうるさいっていったら、なんか落ちこんでした」
橋龍「なんだ、歯ぎしりって、まだ子供だろう」
初江「それが、やたらとうるさいのよ。パパなんとかできる」
橋龍「、、、」

橋龍は、書斎に入り本を読み始めた。だいたい、本を読むのは、この時間だった。酒を飲んできたときは、もう少し寝てることが多いので、ほとんど読まなかったが、今日は、早く起こされてしまったというのもあったので、今更眠れそうにもないし、読みかけの本を読んだ。しばらく読んだ後、仕事に出かけていった。

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