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パパはかわら版

第3章 パパはかわら版B

3人は、寒空のもと、出ていった。ほんとに、あたまくると初江がいったが、珍しく良江がそれに同調していた。お父さんは、あれは、私達のことは真剣に考えていませんね。良江が、橋龍のことを悪く言うのは、いままでになかったことなので、あんたどうしたのと、2人はいった。良江からしたら、早く受験のために、寺子屋にも通いたかったのだろう。とにかく、寺子屋を卒業して、私塾に行きたかったのだ。それを、頭ごなしにしかられたのだから、当然なのかもしれない。3人は、幸江が住んでいた長屋に行った。母親が出ていってから、橋龍のところへ行ったのだが、なんの整理もしていなかった。もしろん、子供だった幸江にそんなことができるわけはないので、それは当然のことだったのだが、しかし、そこがまだ使えたのは運が良かった。出ていってから、まだ、2週間しか経っていなかったので、大家の方も整理はしていなかったのだろう。

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