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パパはかわら版

第3章 パパはかわら版B

橋龍「なにぃ。初江は自分の娘だ」
陽子「そうよ。あなたの子」
橋龍「私の、、ほんとうなのかよそれは。だけど、私の聞いている話では、初江はおばさんのところにすんでいるということだったよ」
陽子「だから、それが私」
橋龍「じゃあ、君は、おばさんではなくて、母親じゃないか」
陽子「だから、私が再婚するときに、おばさんだということにしたの」
橋龍「そんなことできるのか」
陽子「できるわよ。初江は小さかったから、そういうことにしたの」
橋龍「お前なあ、自分が何をしているのか分かっているのか」
陽子「分かっているわよ。でもしょうがないじゃない。父親のあなたが、知らん顔するんだから、私は一人で育てるしかなかったのよ。そのときに今の旦那にであって、一緒になろうっていわれたんだけれど、初江がいたから、姪っ子だってことにしたら、それでもいいっていってくれたの」
橋龍「、、、でもな。いくらなんだって、自分の娘を姪っ子にするっていうのは、あまりにも子供がかわいそうすぎるだろう」
陽子「でも、私は、子供ができたときあなたに相談したのよ。そしたら、あなたは梨の礫。しょうがないから、一人で生んだのよ。そのあなたに、そんなこという権利ある」
橋龍「大体、ほんとうなのか。私の子だというのは。君は、女中でも人気があって、相手にしていたのは私だけではないだろう」
陽子「それじゃ、あなたは覚えがないというの。別にかまわないけど、初江はかわいそうね」

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