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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

3人は、寺子屋の中で、小雪がいるのを見つけた。下級生として、ここに通っていたのだ。

初江「あれ、小雪ちゃんじゃない」
幸江「ほんとうだ」
良江「小雪ちゃんも、通ってたんですね」
幸江「小雪ちゃん、私達のこと覚えている」
小雪「うん、覚えている」
初江「時々、帰ってくるんだって」
小雪「お兄ちゃんがこいって、いっているとき」
初江「なんだ。勇作のやつが連れてってんのか」
幸江「遊び相手がいないんだよ」
良江「養子に出した妹なのに」
幸江「でも、お父さんもかまわない話をしてたからね。誰が悪いっていうよりも、そういう家なのかも」

寺子屋の時間割は、一日、3教科で、午前に2教科、午後に1教科だった。とりあえず、今日の授業は終わった。この時代は、休みというと、10日に一度ぐらいだったが、寺子屋の休みは、5日に一度ぐらいだった。橋龍は、平凡屋には、遅くいくのが普通で、帰りは飲んでくることも多かった。酔いを醒ましてから、平凡屋にいくぐらいの時間的余裕は常にあった。今日は、子供たちを、寺子屋につれていってから、仕事に来たが、逆に早くついてしまったぐらいだった。

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