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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

諭吉「だれも、不正を認めたりはしているわけではない。しかし、手強い相手だということだよ。私らの首ぐらいでは、どうにも動かない。多くの商家も、酒井大老のおかげで成り上がった。実際、景気がよかったときもあったんだ。恩恵にあずかるものが多いのでは、変わるものも変わらない」
橋龍「しかし、恩恵に預かれなければ、庶民でも、武士でも苦しい生活というのは変わらない。結局残ったのは、役人の不正に預かれなければ、損をするだけという意識だ。それが幕政を苦しめている。財政の赤字というのは、単なる賄賂の横流しだけではなくて、そういった意識から生まれているものでもある。そこを変えなければ、更に世の中は、治まらないだろね」
諭吉「別に、私はそれを肯定しているわけではないよ。敵も然る者といっているだけの話だ。よほど、慎重にやらなければいけないということだよ」

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