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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

初江「やっぱり、女なんだ」
弥生「そうねえ。でも、橋龍さんはもてるから」
初江「かなりいいかげんですね」
弥生「そんなことはないわよ。私の方は」
初江「それじゃ、おじさんがだらしないってことですね。そんな人とだったら、分かれちゃえばいいのに。私だったら、絶対分かれます」
弥生「そうね。もしつきあってたら、考えようかしら」
良江「ごちそうさまでした。おいしかったです」
弥生「よかったわ。ねえ、あなた達の親御さんはどうしてるの」実は、弥生は、このことが聞きたかったのかもしれない。橋龍が間に入れば、御伊勢参りにいったんだよなと、口裏を会わされてしまうに違いなかった。もちろん、誰かに聞かれたら、そういいなさいとすでにいわれている可能性もあるが、そのときは、とりあえず信じるしかしょうがない。しかし、もし返答が曖昧だったときは、弥生に分からない事情があるに違いないということなのだ。橋龍の態度を見ていれば、その可能性が高いと前から、弥生は思っていたのだ。



初江「親」
弥生「そう、だってあなた達にも親御さんはいるでしょう」
良江「私のお母さんは、死んでしまいました」
弥生「ああ、そう、ごめんなさいね。それでここにいたの。でも、お父さんは」
良江「お父さんは、、」
幸江「あのー、そういう話は、あまりしたくないんです。いろいろ事情があって」
弥生「そう、そうよね。初対面で、ねえ」
幸江「ごめんなさい」
弥生「いいの、いいの。いやね、親戚中で、御伊勢参りにでもいったのかなーと思ったのよ。じゃなければ、親戚の子を3人も預かるなんてことないでしょ」
初江「親戚中で御伊勢参りだなんて、あるわけないじゃないですか。そんなのきいたことない」
弥生「そうよね。はははは」
初江「はははは」

まあ、だいたいこれで、弥生の感が当たっていたのだけは確かだった。何らかの事情があるのは間違いなさそうだった。その後も、しばらくの間、弥生は3人と話をしていたが、日も暮れてきたので、帰っていった。

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