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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

幸江「それじゃ、私達がお隣さんに教えてもらって、おいしいものが作れるようになったら、一緒に食べてください」
橋龍「それはいいけど、そんなの無理だよ。お隣さんは、何十年も料理人をやってきてるんだ。君らが、一週間や二週間習ったところで、うまいもんなんかできるはずない」
幸江「だから、それができるようになったら。ねえ、いいでしょう」
橋龍「分かった、分かった。でも、無理だよ、無理」橋龍は取り合ったようで、全く、取り合ってなかった。実際この子らが、勇一に料理を習ったところで、うまい料理などすぐにできるはずはないのだ。一年、いや二年かかってもそれは実際に無理だろう。

初江「ああ、そういえば、今日弥生さんていう人が来たよ」
橋龍「ええ、なんだって。、、それで、家に上げたのか」
初江「ええと、半時ぐらいいた」
橋龍「君らなあ、知らない人を家に上げちゃだめだろう」
初江「そりゃ、あげるでしょ。羊羹まで持ってきてくれたのに」
橋龍「羊羹」
初江「そう、吉屋の羊羹。パパのもあるよ」
橋龍「それで、なんていってた」
初江「別に、世間話しただけ」
橋龍「君ら余計なことはいっていないだろうな」
初江「余計なことって」
橋龍「パパだとか、なんだとかだよ」
初江「どうだったかな」
橋龍「おまえらなあ」
幸江「大丈夫よ。何もいってない。良江ちゃんが、お母さんがなくなった話をしちゃったけど、それだけ」
橋龍「ほんとうだな」
幸江「うん」

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