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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

橋龍は、もうこれ以上、この話を聞いてもしょうがないと思った。第一、自分が、口止めしてなかった。まさか、自分が知らないときに、弥生がくるとは想像もしてなかった。どうせなら、自分が連れてくれば、話はあわせやすかったが、わざわざそんなことしようとも思っていなかった。次に弥生にあったときは、子供たちのことを問いつめられるんだろうなと思うと、気が重かったが、それでもまあ、だいたい、弥生とのやりとりというのは、こういったものが多かったのだ。それでも、橋龍は言い訳ぐらいは考えておかなくてはいかなくなっていた。次の日も版説に立っていた。それを、遠目から弥生が見ていた。大体、2人があうときは、弥生が橋龍が版説をしているときにここにくることが多かった。その後で、お茶を飲んだりしたのだ。そうでなければ、言づてをしたり、あったときに約束をしたりしていた。以前は、子供たちがいなかったので、直接、長屋に行くこともあったが、最近はそういったこともなかったので、2人が会う機会は減っていたかもしれない。それでも、昨日家に来て、子供たちと話して、ここに来たわけだから、橋龍もやはりその話だろうなと、それなりの覚悟はした。2人は、なじみの店に入った。

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